全国規模のお笑い賞レースの中で、圧倒的に面白くないと批判を集めているのがR1グランプリです。
これ、「R1」「面白くない」でネット検索すると、ビックリするくらい書き込みがあって、既成事実として定着した感があります。
過去の優勝者を見てもパッとしないし、優勝賞金が500万円というのも他の三つ(M1・W・コント)が1,000万円であることに比べて、自ら格下であることを認めたようなもの。他番組の真似ばかりしているフジテレビ系列の主催だってこともあるかもしれません。
そして、何より問題なのは、出場資格をピン芸人の一点で括っているため、漫談・モノマネ・フリップ芸など毛色の違うジャンルを混ぜつつ、比較しているところ。持ち時間4分は、後半に向けてピークを作っていくのが戦略なんだけど、そこに笑いの数を埋め込もうとすると、ザコシショウのように、はしゃぎまくってブレーキが効かないクルマみたいになります。コンビやトリオであれば、それを受け止めて流すような強弱がつけられるんだけど、一人芸ですからね。かと言って、バカリズムみたいな人が、伏線回収で笑わせようとするには時間が短すぎるし、笑いの数も減ってしまう。多分、制作サイドは、ドカーンドカーンを期待しているんだけど、拗ねた芸風の演者だらけであるピン芸人は、向いていないんです、ドカーンドカーンが。
今年の大会も、決勝進出の9名が発表されました。
一人だけアマチュアの人がいて、YouTubeを観ましたが、まさにスネ夫君タイプだらけ。こういう芸人たちは、イジってもらってこそ花が咲きます。天性の脇役なので優勝する力はないんですけどね。
と、一人、いるじゃありませんか。街裏ぴんく。この人、不思議な魅力があります。笑福亭鶴瓶がパペポやきらきらアフロで喋っているようなもそ〜っとした漫談スタイル。言葉のチョイスが独特で、話し終わった後からじわじわ込み上げてくるようなセンスです。ドカーンじゃありません。だから、やっぱり優勝は無理なんです。4分じゃ、良さが伝わらないんだなぁ。だけど、注目してください、街裏ぴんく!