都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

バレンタイン献血

少し前に、保険会社に新しくできた社会公共活動部門に配属され、阪神淡路大震災のボランティアに対して焼肉を振る舞うボランティアを行った話を書きましたが、震災についてはもう一つ思い出があります。

1995年1月下旬、担当役員に呼び出された私は、『義理チョコ止めて震災募金』の見出しの新聞記事を突きつけられて「うちもやったら?」と言われました。大して関心があるわけでもないのに、得意げに見つけてやった感で話しかけてきたことにムッとして、その場はヘラヘラ笑って引き下がったのです。

その夜、居酒屋で部下との会話。

「俺は義理チョコってのも文化だと思うんだ(石田純一風に)」

「義理だとわかっていても嬉しいもんですよね」

「と言いながらも配布は平等じゃない。微妙に差がついたりするわけで、消極的なイジメだったりする。そこが面白い」

「そういうのを上からの指示で、止めろというのは何か反発を覚えます。あいつらのせいだって言われますよ」

「ったく、わかってないね。他社のマネをしろだなんて、センスを疑う。こういうのは、最初にやるからいいんだ」

「ところで、課長はどのくらいもらうんですか?」

「う〜ん、(見栄を張って)20枚ぐらいかな?」

「そんなにですか?」

「だから、始末に困る。食べ過ぎて、鼻血が出たりして」

「そう言えば、言いますよねぇ、チョコレートの食べ過ぎで鼻血」

「うん、鼻血はダメだ…。ん? だったら、その前に抜いておくってのはどうだ? 鼻血が出る前に献血‼︎」

「なるほど、バレンタインに献血ですね。それ、ポジティブですわ」

 

その後、赤十字社との打ち合わせはトントン拍子でした。冬場はインフルエンザの流行などで特に血液が不足するんだそうです。なので、この話は渡りに船であったのです。

今では、社員のみならず、末端の代理店組織も含め『バレンタイン献血』として全国的な社会貢献イベントとして定着しているそうです。

対外的には「特定の人にだけではなく、多くの人に愛を贈ろう!」をキャッチフレーズとしておりますが、本当は違います。いや、どっちだっていいんですけどね。義理チョコはまだ、やっているのかなぁ?