「折れたタバコの吸い殻で、あなたの嘘がわかるのよ〜♬」
1974年、中条きよしのヒット曲ですが、当時はこの歌詞の意味がわかりませんでした。風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話。
作詞したのは、銀座のママで名を成した恋愛の猛者・山口洋子でした。
なるほど、銘柄のことだと気付いたのは最近のことでして、ミステリー小説を読むほどに、残留物から推理を働かせるのが身についていきます。
浮気を見抜くのは、いつもと違うという観察力が大事であって、そこはベテラン刑事と似たところでもあるのです。
文庫本の腰巻きに、「2024年映画化決定!」とあったので、慌てて購入したのが『嘘』(北國浩二著・PHP文芸文庫)です。
息子を事故で亡くした絵本作家の主人公が、長年絶縁状態にあった父親が認知症を患ったため、やむなく田舎に戻って介護するところから物語が始まります。閉鎖的な空間における濃密な人間関係が、家族愛がしっかりと描かれていて、あっという間の一気読みでした。
6月に公開される映画のタイトルは『かくしごと』と変更されています。なるほど、その方がいいかも。
→https://happinet-phantom.com/kakushigoto/index.html
主人公を演じるのは杏だとのこと。流石、イメージぴったりを選ぶもんですね。こちらも楽しみです。
【テーマ】タイトル・時代性・学習性 16点
【文章技巧】読みやすさ・バランス 18点
【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 20点
【構成】つかみ・意外性・スピード感 18点
【読後感】共感性・爽快感・リアリティ・オススメ度 20点
【合計】92点