我が国でパワーハラスメントという言葉が使われ始めたのは、2001年のことだそうです。
職場におけるイジメや嫌がらせは、それまでにも横行していたけれど、言葉として認知されたのは、比較的最近だというのが分かります。
昔は、特に営業職で、上司から過大なノルマを課せられ、当たり前のように言葉の暴力が投げつけられていました。手が出るなんてことも珍しくない。だから、採用においては体育会出身者が求められ、理不尽な指示を甘んじて受け入れる土壌が培われていたのです。洗脳ですね。命令には絶対服従すべきであるという幻想。
だけど、そんなことを続けていると、世間から弾き出されんばかりに制裁を受けるようになります。
そういう新常識は、洗練された企業や世の中にしっかりとアンテナを張っている人たちから、じわじわと伝わっていきました。
逆に言えば、低レベルの会社や学校、そして業界などが取り残されて行く。そして、問題が一気に噴出して、大ごとになるってことが何度も繰り返されています。
中でも遅れに遅れていた業界が、角界です。相撲の世界。元々が隔離された部屋の中での生活を余儀なくされ、「無理ヘンにゲンコツ」みたいな過去から続いているしきたりを疑問を持つことなく踏襲していく姿勢。何より、理事長をはじめとする組織に名を連ねている幹部たちが、力士限定という閉鎖性。それはもう勘違いの塊となるのもムベなるかなであります。
かくして、史上最強の横綱であった白鵬(宮城野親方)は、監督責任を問われて二階級の降格だと。
うーん、貴乃花といい白鵬といい、相撲史に残るような名力士を斬り捨てるとは、なんだかなぁ。そういや、朝青龍に日馬富士なんてのもいましたっけ。
ずーっと側で見ていたNHKは、何も知らなかったのでしょうか? そういうもんでしょうかねぇ?
大谷翔平が10年で1,000億円という話を聞くにつけ、夢がない世界だと改めて思いました。