開幕してから、リーグ内のそれぞれのチームと戦う一周目を終えて、いろんなものが見えてきました。
(1)投高打低の傾向がますます顕著になった
近年は、三割打者であることが難しくなっており、ホームランも簡単には打てなくなっています。
助っ人外国人に至っては、レギュラーに名前を連ねることすら珍しくなってきました。
だから、カープの堂林翔太選手のような非力な選手が四番を務めています。
(2)大量点が望めなくなって、勝負が僅差で終盤に持ち込まれることが増えた
先発投手がリードを守って、そのまま逃げ切るような展開とはなかなかならず、二番手以降の出来不出来が勝敗を左右します。
それについては、質よりも量の問題が大きく、一人に偏ることがないように起用する采配が鍵を握っているのです。
(3)スモールベースボールが極まった感じ
一点を獲るための戦術が問われています。そのチームにそのための引き出しが、どのくらい用意されているのか? 犠打は大事だけれど、誰にでもさせるべきでないし、走者が二塁にいたとしても、鈍足であるとワンヒットで返っては来られません。それと、点数差によって、表と裏の攻撃の考え方が変わるし、延長戦に備えての投手起用だって単純じゃないことに気付かされているところです。
(4)だからこそ、守備の重要度が増している
余分な点を与えると命取りになるので、打撃を重視した編成は、結果として失敗することが多いです。特に、一塁手を甘く見ない方がいい。昨年、タイガースが優勝したのは大山悠輔選手の一塁コンバートだったことを忘れてはいけません。DeNAや日本ハムは、そのうち痛い目に遭うと思います。
(5)新人には過度の期待をしない方がいい
このブログで何度も書いておりますが、即戦力の触れ込みで加入した新人も途中から壁にぶつかるのが普通なので、チームの中心戦力として捉えるべきではありません。シーズンを通して駆け抜ける体力がないことと、弱点をグイグイと突かれてくるからです。巨人とDeNAに危うさを感じます。
優勝候補としながらも出遅れてしまったカープですが、秋山翔吾・坂倉将吾・小園海斗が揃って不振なのが理由だから、心配していません。選手の好不調には波があり、たまたま悪いタイミングで噴出してしまったということ。大事なのは鉄壁とも言える守備力で、ホームグラウンドが天然芝であるにも拘らず、ここまでエラーがリーグ最少の3個のみ。内野エラーはショート小園の一つだけで、むしろ毎試合のようにファインプレーが続出しています。そういうのって、投手との関係性が良くなるので、チームに一体感が生まれます。外国人の二人がスタメンから消えたことで、一番から八番までいずれも俊足揃いとなりました。まさに、接戦向きのチーム編成です。
対抗馬はやはり巨人ですね。阿部慎之助監督のマネジメントスタイルは、新井貴浩監督に近いものがあり、キャッチャーの守備力を重視しているのと、投手を無理使いしないのは、去年までの全部勝とうとする原野球に対するアンチテーゼなんでしょう。なかなかやるなぁです。
中日は今だけだと思います。ビシエドをはじめ、石川昂弥・岡林勇希を抜きで戦っての首位なので評価する人もいるでしょうけど、何か好き嫌いで起用する監督の趣味の悪さは変えようがありません。大島公平をベンチに置いているのも謎です。このチームが一体感を持って戦うなんて想像できない。なので最下位予想は変わらないのです。監督が変わったら、強くなりそうだというのも付け加えておきます。