以前から論議されているのが、打者の一塁ベースへのヘッドスライディングの是非についてです。
駆け抜けた方が速いとする説も多いのですが、科学的な研究によれば、正しいタイミング(ベース手前約4メートル)の条件付きで、頭から飛び込んだ方が速いんだそうです。
イチローは怪我のリスクを考えて、一切やらなかったけど、実際にはほんの少しだけヘッドスライディングの方が速いと言います。
確かに、『筋肉番付』のショットガンタッチでは、誰もが頭から突っ込んでますもんね。
高校野球では、これをやる選手が多い。特に9回ツーアウトで負けてるチームは、ほとんどやってます。ユニフォームが汚れるので、必死さが伝わるってのもあるでしょう。ついでに悔しさも。
いつでもというわけでもありませんが、ここ一番では必ずやります。ためにする練習があるのかもしれません。
そして、その最大の理由は、先頭を切って実践しているのがベテランの菊池涼介・34歳だから。
そういう姿勢は、当然のように浸透していきます。これが、チーム一丸の正体です。
新井貴浩監督も現役時代にヘッドスライディングをやっていたし、決して手を抜かない全力疾走の象徴でもあるんです。
だから、監督は菊池涼介の起用を尊重します。少々、打てなくなっても、上位打線に置いたままにする。それは、チームリーダーということもあるし、その自覚やプライドを守っているからです。
こういうとこが、カープの強さであり、記録だけ追っていても、なかなか見えて来ないのであります。