都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

one for all,all for one

大学ラグビー部の監督には、勤務が休みの土日のみに出てくる、本業サラリーマンの兼業タイプと、時には合宿所に泊り込んで選手と24時間接するフルタイムの専業タイプとがあります。
当然に、専業タープのほうが、選手を掌握しやすい。
兼業だと、普段の練習に目が届かないため、選手たちの考え方とにギャップが生まれやすいのです。

これが中学や高校生であれば、「言われたとおりにやれ!」と一喝すれば済んでしまう話でも、大学生となると、そうはいきません。
ましてや、この十年の間、ルール改正と共に、ラグビー理論は驚くほど進化しています。

ひと昔前、試合での選手交替は認められていませんでした。
競技中に骨折したメンバーがいれば、一人足りないままにゲームが続けられる。
だから、試合中に身体の異変が起きても、歯をくいしばり、気絶するまで走り続ける。
これが、ラグビーの美学だったのです。いわゆる精神主義
グランドで倒れている選手に水をぶっかける“魔法のやかん”なんていうのがありました。
今では、信じられない話ですが、私が中学のころでも、そんな感じでした。
当時、軽量と言われた早稲田のフォワードの前3人が70キロ前半でしたから、隔世の感があります。

今は違います。
日本人でも、フォワードで100キロ超え、バックスでも80キロ以上が当たり前とあっては、おかしなぶつかり方をすると交通事故にあったみたいになります。
当然に、ディフェンスの仕方が大きく変わっているのです。
つまり、組織で動くということ。
個々の技術や精神論に頼ったやり方は、古いとされ、こうした確固たる戦術論を持っていないと、学生たちは指導者に付いていかないのです。


本日のオススメ本は、『慶応ラグビー魂の復活』です。
プロスポーツと違って、学生スポーツは毎年のようにメンバーが入れ替わります。
そういう状況の中で、監督から見た選手、選手から見た監督、チームの伝統ということをスポーツライターの渋谷淳氏が愛情深く描いております。

一人はみんなのために、みんなは一つのために