都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

マタギ

下関の豊田町で飲食店をやっていた時、板場を手伝ってくれたMさんは、地元猟友会の副会長でした。

日本じゅうどこでもそうだけど、地方の山間部は鳥獣被害が大きいため、自警団みたいな猟友会を結成し、休日を利用して狩猟を行っています。

鉄砲撃ちの免許を持った会員は、普段は別の仕事があります。だから、土日でないと、動けません。犬を交えて森の中に入っての狩猟は、一人ではできない人海戦術なのでため、チーム内に掟がたくさんあります。みんな鉄砲を持ってますから、人間関係がとても重要で、コミュニケーション能力が低いと、仲間に入れてもらえないのです。

シカやイノシシは、一頭2万円ほどで、尻尾と耳とをセットで持っていくと、市役所が報奨金として買い取ってくれます。

だけど、チームで分けるので、これは大したことない。AKBのギャラみたいなもの。儲かるのは、CDです。精肉販売。モノによっては、一頭が20万円以上になることもあり、銃殺後の解体にこそ、儲けの秘密が隠されています。

サカナもそうだけど、血抜き処理の巧拙が味の決め手となります。だから、儲けのコツは、撃ち終わった後の動きにあるのです。家へ帰るまでが遠足みたいな話。普通は、仕留めた快感に酔いしれるんだけど、それじゃフツーです。孫正義にはなれない。スーパー鮮魚売場主任歴30年、包丁人であるMさんの技術は、屠殺場で生かされます。

 

ところで、イノシシ肉については、賛否両論。美味しいと言う人とクソ不味いと言う人が相半ばします。いや、不味い派が多いかも。

何故かと言うと、それがジビエだからです。人気者の牛や豚は養殖に限られるので、若者の肉しか流通していません。だから、安定的にウマい。これに対し、年寄りの肉は、固いし臭いんです。なんとなく分かりますよね。

鉄砲で撃たれたイノシシは、動きが悪いのが多い。つまり、年寄りなんです。そう言うのが道の駅とかで売られています。で、本当に美味しいやつは、猟師の冷凍庫へ大切に保管。2歳以下のメスが高級品だそうです。なるほど。

シカ肉については、セミと呼ばれる希少部位を刺身で食べる以外に知恵がなく、残りが犬のエサになるケースが多いとも。本当は、牛肉と調理法は同じで、カロリーの低さを訴えれば、売れるんだけど、まぁこれは今後の課題ですね。

 

狩猟免許の更新は、年々厳しくなり、精神鑑定が必要だそうです。アメリカじゃありませんからね、銃規制。

そんな面倒もあって、なり手もおらず、日本じゅうの猟師が高齢化しています。このままでは、害獣の前に猟師が絶滅するかも。

私は自衛隊の訓練として、害獣殲滅作戦を実行させるのが良いと思うんだけど…。イシバさんだったら、やってくれそうな気がします。農家の全面的な支持を集められると思うんだけど、どうでしょう?