それはもう当たり前の話なんだけど、今どきの中高生が何を大切にしていて、どんな風に考えているかは見当がつきません。
面白いと感じるものが違うし、楽しみ方の度合いも違う。
生まれたときから、便利なものが揃っているし、清潔に関するレベルがかけ離れています。
何より情報の量が圧倒的で、それを上手く使いこなせるかどうかで、自分のステータスが決まってくるようなところがあります。
大切なのは、所属するコミュニティで、大きくはみ出さないようにポジションを取っていくバランス感覚が求められるなんぞ、それをどうやって学び取っていくかを考えると気が遠くなりそうです。
『かがみの狐城』(辻村深月著・ポプラ文庫)は、思春期の子供たちが目の当たりにするイジメや不登校がメインのテーマとなっているファンタジーミステリーで、話題になっていたから購入したものの、理解するのに激しく苦労しました。
なんでしょうね、いろんな情報が溢れ返っていると、それぞれの判断が早くなって、簡単に諦めてしまう、諦めさせてしまうような風潮があるようです。○か✖️かの二択を迫るようなスピードを伴った圧迫感は、時代ってことらしい。大人の方も、結論を出したがりますからね。じっと見守ってくれるおばあちゃんみたいな中立派がいないのは、核家族化が進んだ成れの果てだと言えるかも。駆け込み寺がなくなっている。
本作が若い子たちに刺さるのは、そうした現実をたくさん見て知っているからこそなんでしょう。私には無理でした。
ライトノベルねぇ。もっと面白い本があるんだけどなぁ。
【テーマ】タイトル・時代性・学習性 15点
【文章技巧】読みやすさ・バランス 14点
【人物描写】キャラクター・心理描写・思い入れ 13点
【構成】つかみ・意外性・スピード感 12点
【読後感】共感性・爽快感・リアリティ・オススメ度 10点
【合計】64点