その昔、プロ野球の戦術には「偵察メンバー」というのがあって、相手チームの先発投手が分からない時代、その試合には出ないであろう上がりの投手や控えの捕手を登録し、実際に登板してきた投手の左右によって、本番に起用するというやり方。通称「当て馬」と呼ばれていました。
今は、予告先発というルールがあるので、当て馬が出てくることはありません。
本当は、その試合に誰が出てくるかを予想するのも、ファンの楽しみ方の一つだと思うのですが、先発完投する投手が激減して、分業制が進み、ベンチに入れておくべき選手が25名と限られた枠の中では、当て馬で一人使ってしまうのは、作戦上難しいと考えられたのでしょう。
この制度が、1994年にパリーグから始まったのは、指名打者制度によって、一人余分に必要となることが影響したと思います。
そして、セリーグは2012年から。
なんだかんだ言っても、ほとんどの場合はローテーションが確立しているし、先発投手を隠し通すには、余分なエネルギーがいる。
何より、野球賭博のハンデに関わると勘繰られるのもどうかと。
もう一つは、スコアラーによる事前のデータの準備と対策の手間ですね。
昔と違って、いろんなことが前倒しで準備されているってことです。
このことによって、選手起用が大きく変わってしまいました。
つまり、右投手しか打てない打者と左投手しか打てない打者と。
そういうことが、選手のスケールを小さくする負の要因となっているのは否めません。
本格派の日本人左腕投手が育たないことにも関係しているかも。
プロ野球をもっと面白くするために、私は野手のほうも同時に予告すればいいと思います。
観客動員のためにも効果的だし、読み違えがあればあったで、それも一興ではないでしょうか。