都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

辞意ショック①

社会風刺コントなるジャンルを確立させたのが『ザ・ニュースペーパー』です。
総理大臣の形態模写がウリで、最近では松下アキラの演ずる小泉純一郎が世間を賑わしました。

このグループ、もともとは昭和天皇崩御の年に、お笑い自粛ムードの煽りを受けた三つのコント集団(いずれも『お笑いスター誕生』で10週勝ち抜き)が合体したもので、それはもう、面白かったです。
それぞれが劇団上がりだったこともあって、話芸のみならず、歌に踊り、パントマイムなどが素晴らしく、松元ヒロ氏や松崎菊也氏を中心とした初期のころは、お笑いなのに、ミュージカルを観ているようなスケールの大きさを感じさせてくれました。

前職の広報部時代、しばらく一緒に彼らとお仕事をいたしました。
当時、新商品として“痴ほう介護保険”なるものを売り出していたので、“認知症”をテーマとしたコントの作成を依頼。時事ネタを絡めて、知的かつ上品にまとめ上げてくださったものです。

感動的だったのは、舞台裏で早変わりを見られたことです。
限られた人数で、いろんなキャラクターを演じ分けるため、メイクも含めた切り替えが見せ場でもありまして、それを裏側から見るのはまさに役得でした。気持ちが劇団員に同化した感じです。なんともいえないライブ感。楽しい仕事でありました。

普通、コントというものは、ネタとして在庫に入り、何度かの使いまわしができるものですが、ニュースペーパーの時事風刺ネタは、鮮度が命。だから、ほとんどの作品が一度きり、その舞台のためのもので、なんとまぁ効率が悪い。だからこその贅沢なステージは、冷凍保存が効かない刺身定食に通じるものがありました。分かる人には分かるってこと。理解の仕方には、次元があるのです。


このグループが、スポニチ社が主催するなんとか大賞を受賞したということで、賞金100万円を獲得しました。今から12年くらい前の話です。
そのとき、グループで使い道を話し合ったんでしょう。
お世話になった人を招待して、パーティーをやろうと。

その場所が、東京・文京区にある音羽御殿。いわゆる鳩山邸でありました。

(つづく)