都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

スカウトの眼はすべて「節穴」である

「野球は巨人、司会は巨泉」と一世を風靡した大橋巨泉氏は、強引であるものの羨ましい限りの人生です。
11PMの司会をやりながら、自分の趣味を次々に企画モノにしていく。
ゴルフ・釣り・ボーリング・ジャズ・麻雀そして競馬。
彼の勝ち馬予想がスゴいのは、どんどん印をつけちゃうところ。
言うとおりに買っても元が取れないなんてのが日常茶飯でありました。
だけどこれ、分かる気もします。
つまり、長所に眼が行くってことなんでしょう。
知れば知るほど、いろんな可能性が見えてくる、そういうものです。


本日の一冊は『プロ野球スカウトの眼はすべて「節穴」である』(片岡宏雄著・双葉新書)です。
片岡氏は元ヤクルトの敏腕スカウトで、中央では無名に近かった若松・尾花・池山・古田・高津らを発掘したことで知られています。
そして、月見草の野村監督と全くソリが合わず、大っきらいだったようです。
私はこのタイトルが、野村監督に当てつけたイヤミであると睨んでいます。
本当は、スカウトの眼力は確かなものであり、素質のある選手を活かすも殺すも監督次第だと訴えたサラリーマンの愚痴本でありました。
こんなに、内容とかけ離れたタイトルの本は珍しい。
見事に騙されました。

そうなんだよなぁ。
人の能力って、一つだけの切り口でもって、比較することなんかできません。
走攻守はもちろんですが、リーダーシップや明るさなどの性格面も重要なファクターです。
勝負強さみたいなメンタリティーだってそう。
そして何より、上司との相性が大事なのであります。
試合に出なきゃ、始まりませんから。

個性豊かな人は、相手を自分に合わせるよう持っていくから、いつかは激しくぶつかるものだということを学びました。
沁みるねぇ。