都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

名将逝く

たとえば、ジャイアンツの監督経験者は、セ・リーグ発足以降67年の歴史の中で、水原・川上・長嶋・藤田・王・原・堀内・高橋と8人しかおりません。
いずれも、現役時代に輝かしい功績を誇っており、その点について非の打ちどころがないプレイヤーばかりです。
そのことも影響しているのでしょうか?
コーチも大物揃い。
今年でいえば、尾花は元横浜監督、斉藤・江藤・豊田・小坂・金城のタイトルホルダー、田代・二岡・井端・川相・阿波野と、これでもかとばかりに(元)スター選手が並びます。

一方のカープですが、監督経験者は倍の16人。
長谷川や山本浩二野村謙二郎こそ、大物のくくりですが、門前・阿南などバイ・プレイヤーですし、ルーツ・ブラウンの外国人もいて、人材本位の登用が目立ちます。
中でも驚きは、根本陸夫
現役時代はわずかに4年。近鉄バッファローズの捕手として、通算70安打、生涯打率が.189でした。
その影響もあるのでしょうが、コーチなんかにも、意外な人選を行っています。

純粋培養と思われがちですが、他球団からもいいと思う人材は引っ張っており、その始まりは、根本監督時代の広岡・関根。今はタイガースですが、高代なんてのもおりました。
こうした系譜が、今の石井コーチに繋がっています。

そして、カープでは、当時史上最年少の25歳という若さでコーチ就任した上田利治氏。
根本氏と同じく捕手でカープ入団を果たしたものの、現役生活はわずか3年。
通算56安打で打率が.218だったものの、学生時代は司法試験を目指していたという秀才ぶりは、野球の世界で際立っており、本人の真面目な性格とあいまって指導者として開花、その後はみなさんの知るとおりであります。

現役時代の実績なしに、正論をぶつけていくやり方を煙たがる人は多く、あちこちに衝突を繰り返したエピソードが残っておりますが、こうした人物を評価する肝の据わった上司にもまた、恵まれていたのでしょう。

享年80歳。合掌。