いろんな職業がありますが、中でもグルメレポーターというのは文字通り“おいしい仕事”です。
だけど、画面を通じて、味覚を伝えるために、たくさんの言葉を持っておらねばなりません。
「新鮮なんでしょうね、こりこりとした食感が堪りません」
「舌の上でとろけるような…」
「わぁー、ぷりっぷりっです」
「もちもちした…」
「うーん、贅沢な気分が味わえますよぉ」
「なんともいえないやさしい味ですね」
「好きな人にはたまりませんね???」
そういうのって、多分、準備しておくんだと思います。
私だったら、ジャンルごとに言葉を整理しておくでしょうね。
ほかのレポーターの表現もビデオに撮って、研究します。
そう考えていくと、一冊本が書けるかも。
『美味しい言葉学』なんてね。
いえ、先日、小顔のレポーターの取材を受けて(並んで座りたくなかった)、そんなことを考えたのであります。
お店をやっていて、お客様からお褒めの言葉を頻繁にいただきますが、本日いただいたコメントはなかなかシャレたものが多かったです。まずは、第三位。
「これで、儲かります?」
安いってことですよね?必要最小限の人数でやっているので、そこのところを評価してもらえると嬉しいです。続いて、第二位。
「今度から釣りに行くのを止めて、あんたんとこへ来よう」
これは、新鮮だということの証。サカナ好きの人に、そこまで言われると、お店冥利に尽きます。
そして、輝く本日の第一位。
「お宅は、魚屋さんも、やっちょってですか?」
これは、種類の多さに驚いているってことですね。
確かに、仕入れでは苦労しているので、ここのところを褒められると、思わず顔が綻びます。
やはり、愚直なまでにネタを揃えると、評価が着いてくるものであります。
そして、褒める言葉を磨かなきゃなぁと改めて痛感した次第です。