小学生のころ、大人にまみれて早熟だった私は、先生たちから見て、ホントに生意気ないやーな生徒でした。
教科の成績が良かったもんだので始末が悪い。子ども特有の万能感で、担任をバカにしてましたからね。さぞかし嫌われていたと思います。そういうのって、伝わるから。
そこで、教師は通知表のコメント欄で、ささやかな復讐をします。マイナスのメッセージを両親にチクる。例えば…
「落ち着きがない」「グループの和を乱す」「忘れ物が多い」「授業中の私語が止まらず、時として授業の妨害にさえなる」
なんて感じ。やりやがったなと思ってました。生意気でいやーな生徒ですから。
だけど、反省はしません。自覚があって、その通りなので。
両親も深刻には受け止めません。その通りであろうと。
このあたり、遅刻が多いけど数字を挙げている営業マンみたいな話。よくないねぇ。
担任も反省を促すならば、工夫が必要でした。バッサリ斬るのでなく、あとちょっと頑張れば、さらに良くなるという風に。
教育の仕事を長く行なっていて、リフレーミングという技術を覚えました。
そして、多くの教師のために『通知表ポジティブ辞典』があるということを。
例えば…
「落ち着きがない」→「人と違ったことに興味・関心を持てる」
「グループの和を乱す」→「思ったことをハッキリ言うことができる」
「忘れ物が多い」→「その日の学習に必要な物を忘れても、自分なりに工夫して授業に支障がないように出来ている」
「私語が多い」→「友人が多く、情報収集能力が高い」
なんてね。
この辞典には、ポジティブな文例が1,588も詰まっています。今どきは何でもマニュアルがあるんですね。
そうだとすると、親が子にかける言葉も似たようなものだと思います。人生、死ぬまで勉強だねぇ。