ワイドショーのコメンテーターで、李相哲という人がいます。
中国生まれではあるものの韓国人の両親のもとで育ったので、言葉は韓国語の方が達者なんでしょうか。ペラペラの日本語には、ちょっとだけ違和感があります。
それは、語頭の濁音が言えてないってこと。
「大統領」→「たいとうりょう」「残念」→「さんねん」「伝統」→「てんとう」
という具合です。これが語中に入った濁音は、きちんと発音されます。
「伝統文化」→「てんとうぶんか」
何故そんな風になるかというと、韓国人の耳には、濁音が区別されずに聞こえているからだそうです。
子どもの頃からの習慣で、そういう耳になるってこと。「金閣寺」「銀閣寺」⁇
面白いですね。
民族によって、聞き取れる音が違うという話。
日本人が苦手な英語の「th」もそれと同じです。
ベトナム人は、総じて「リュックサック」が発音できませんが、言語によって音声・音韻的な相違があることを押さえておかねばなりません。
日本語のルールに「連濁」というのがあって、これも外国人学習者を惑わせます。
連濁とは、二つの語が結びついて一語になる(複合語)際に、後ろの語(後部要素)の語頭の清音が濁音に変化する連音現象のことです。
例えば、「学習机」「生花」「宝石箱」など。
ところが、後ろの語に既に濁音が入っている場合、この規則が当てはまりません。
「地方新聞」「大トカゲ」「民間企業」
これをライマンの法則と言います。で、例外は「なわばしご」です。
なんてこと、日本人は意識せずに使い分けておりますが、これを理論立てて説明しようとすると、非常に難しい。
言葉というのは、考えすぎると、前に進めなくなるってこともあるんだよなぁ。