第1位 おそ松くん(赤塚不二夫)
どんな風に育ったら、あんなものが描けるのだろうと思ってしまいました。
あのタモリが「私もあなたの作品でした」と弔辞を読んだ赤塚不二夫のことです。
彼が産んだギャグの数々は、今でも新鮮ですし、登場人物の色付けが尋常ではありません。
主人公を六つ子にするというのも斬新だし、イヤミ・チビ太・ハタ坊・ダヨーンのおじさん・デカパンと次々に繰り出す異色のキャラクターは、作家の精神状態が大丈夫かとさえ思わせてしまいます。「シェーッ」「〜ザンす」「ケケッ」「〜だジョー」「〜ダヨーン」「ホエホエ〜」「〜ダす」と流行語となったフレーズは数知れず。質量共に、他のギャグ漫画を圧倒しておりました。
何でしょうね、漫画のタイトルが『六つ子くん』『バカボンのパパ』『デコッ八』などの主人公じゃなくて、ちょっと外しているところが赤塚漫画の真骨頂で、『オバケのQ太郎』とか『パーマン』だとか『ドラえもん』と、オーソドックスな藤子不二雄とは一線を画していました。
ギャグのセンスが違うんです。ドリフの笑いよりもクレージーキャッツのそれに近かったのが、赤塚ワールドであったように感じています。
それにしても、60年前の作品だとはとても思えません。
登場人物が勝手に動き出す、ジャズセッションのような世界観が赤塚不二夫なのでありました。