都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

自殺報道

1982年、カリフォルニア大学の教授は、自殺のテレビ報道があると、10日以内に自殺と交通事故が増えるという論文を発表しました。交通事故の一部も自殺の手段と考えられると付け加えています。それをもとに、WHOが「自殺報道ガイドライン」を公表したのです。マスコミは報道する際に、慎重であるべきだと。

その中では、「自殺の原因と結果を単純に説明すべきでない」「自殺をことさら美しいものとして取り扱ったり、悲劇性を強調しない」「その手段の詳細を伝えるべきでない」「背後には心の病が潜んでいるので、それに対しては効果的な治療法があることを強調する」などと書かれています。ワイドショーなんかで、専門の医療機関や電話相談のことがテロップで紹介されるのは、これに沿ったものなのでありました。

だけど、ことさら当事者が不幸であったことを強調し、これでは自殺しても当たり前だと言わんばかりの演出が目立つ、ガイドラインと逆の方向で編集しているメディアが圧倒的に多いように思います。テロップを免罪符にしながらも、扇状的な視聴率至上主義。それに対する役所の指導もほとんど聞きません。

本当は、自殺者の大半が罹っていると思われるうつ病の対策に力を入れるべきなんです。精神科医のカウンセリングが必要であると。

日本人は、ちょっとした風邪でも医者にかかるくせに、精神疾患については過剰なほどの拒絶反応があります。

宗教という拠り所がない限り、心の不調は早い段階で専門家に見せた方がいいに決まってるんですけどね。難しいんだよなぁ、メンタルの話。