「石川や 浜の真砂は尽くるとも 世に盗人の 種は尽くまじ」
全くもって、犯罪者がいなくなることはありません。バブル景気の頃は、一億総中流なんて言っていたけど、今や格差社会が広がって、上の方にいるのがごく一部で、多くの若者がコツコツ働く意欲をなくしています。そういう流れを汲み取って生まれた仕組みが闇バイト。匿名・流動型犯罪グループ、いわゆるトクリュウです。これの発明は、黒幕となる自分たちが直接に手を下さないってところ。そして、それに唆されて、食い付いてくる後先考えない、考えられない人間がうじゃうじゃいて、マインドコントロールされていく方式が出来上がったということです。分母がそれなりに大きければ、ある程度のヒットが見込める。それを効率的に行えるのがSNSなんです。
守る側もやられっ放しというわけにはいきません。
そこで対抗策として出されたのが「仮装身分捜査」です。闇バイトに応募すると見せかけるための身分証明書を偽造するって話、簡単じゃありませんよ。何より、捜査員が二十歳前後だとして、そんな風に見える人がいるのか? 身バレするかもしれないリスクがある中、武器の携帯も含めてどれだけ身を守れるのか? 仕事的には、公安の範疇だと思うけど、そんな若い人、いませんからね。個人的には、西部劇にあるみたいな賞金をかけるのがいいと思うんだけど、どうでしょう。お尋ね者とした元締めをタレ込んだら、今だったら許すし、こんなに特典がありますと喧伝する。結局はコスパが良いと思いますがねぇ。
ともあれ、仮装身分捜査は間違いなく抑止力にはなるでしょう。グループを疑心暗鬼にさせるの、ドキドキします。日テレの『潜入兄妹 特殊詐欺匿名捜査官』を観ながら、そんなことを考えました。