都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

スラスラ書ける!ビジネス文書

「言葉というものは、状況ごとに違う喋り方ができてこそであり、ちゃんと口が利けるようになることこそが利口ということだ」

これは、パスティーシュ小説の第一人者である作家・清水義範の『スラスラ書ける!ビジネス文書』(講談社現代新書)の中の一文です。

愛知教育大学国語科卒の同氏は、教育問題に精通しており、ビジネス関連についても強みを発揮しています。こういう先生に習うことができたら人生が変わるだろうとさえ思ってしまいます。

会社の仕事の中には、社外文書作成といういろんな人に能力を試される機会がありまして、これを苦手とする人がとても多いです。

何より辛いのは、必ず上司の目に晒されることで、仕事の中身をしっかり見られてしまうってこと。記録に残ってしまうってこと。

こういう文書の書き方は、ハウトゥー本がありますから、それを参考にすればいいのだけれど、完全コピーしたところでマイナスがないだけで、プラスを獲得できておりません。

大事なのは、文末にオリジナルのひと工夫を入れられるかどうかであり、そこまで指南してくれる教材はほとんどないのです。

清水義範は、同書でラブレターを書くつもりでと喝破しています。

ラブレターとは、相手に好きだと伝えることではなく、読んだ相手がこっちを好きになってくれるようにすることだと。

モテる人ってのは、誰かに教わるわけでもないだろうに、そのへんの感覚が研ぎ澄まされています。フォーミーでなくフォーユーの精神。

そのことに気がつくと、文章は格段に進歩するのであります。話し方もだね。