黒田投手の男気復帰で、前年比30%アップの観客動員を果たし、カープ人気はますますヒートアップしております。
こういうのに乗っかれば、雑誌の売り上げも伸びるわけで、『週刊ベースボール』は再三にわたって特集を組み、『別冊カドカワ』も二年連続のカープ応援本を出版、最近では文藝春秋の『ナンバー』が黒田博樹をテーマに誌面を作っておりました。
世の中がジャイアンツ一辺倒だった時代を知る者からすれば、隔世の感がありますが、ファンが分散している現在のほうが、まともであるように思います。
さて、その黒田投手ですが、ボールを微妙に動かして打たせて取るピッチングについて、一人の打者に対する平均投球数に着目してみました。
<両リーグ防御率ベスト5投手の一人の打者及び1イニングにおける平均投球数>
菅野(巨) 3.73 14.34
前田(広) 3.79 15.21
大野(中) 3.97 15.53
ジョンソン(広) 4.08 16.51
藤浪(神) 3.83 15.68
ディクソン(オ) 3.99 15.62
大谷(日) 3.86 14.70
牧田(西) 4.05 16.97
レイ(楽) 3.93 15.76
西(オ) 4.00 16.22
これ以外でも、先発ローテーションに加わっている投手のほとんどが、一人の打者に対する投球数が3.7~4.1の間に収まっています。
ところが、黒田投手の場合、3.56と突出した数字を残しており、1イニングを15.09でまとめる投球の術を感じます。
それだけじゃありません。
前田健太投手も含め、他のピッチャーの数値が昨年よりも改善されているのです。
<カープ投手の一人の打者及び1イニングにおける平均投球数 昨年との比較>
2014年 2015年
前田 3.84 15.33 3.79 15.21
大瀬良 3.92 16.80 3.70 15.76
野村 3.97 17.66 3.54 15.69
投手コーチがあれこれ指導するよりも、すぐそばにお手本がいるってことが、どれほど素晴らしいことかを痛感いたします。
前田は当然として、大瀬良・野村の今後の活躍に注目です。