世の中は、依然として学歴社会でありまして、中卒よりは高卒、高卒よりは大卒、最近では、大学院を出ていたり、海外留学の経験があったりすると、もっとエラいという価値観が、あちこちに存在していると思います。
ところが、それとは全く真逆の基準の世界があります。
それは、プロ野球です。
プロ野球には、12人の監督がおりますが、その学歴を調べてみると、次のようになります。
ソフトバンク 工藤監督 名古屋電気高校
ロッテ 伊東監督 熊本工業高校
西武 辻監督 佐賀東高校
楽天 梨田監督 浜田高校
オリックス 福良監督 延岡工業
広島 緒方監督 鳥栖高校
巨人 高橋監督 桐蔭学園―慶応大学
横浜 ラミレス監督 サンアントニオデパウラ高校
「名選手必ずしも名監督ならず」なんて言葉がありますが、長嶋(立教大学)・野村(峰山高校)なんかの監督時代の成績を見るにつけ、この監督高卒論は、結構当たっているのであります。
大卒と高卒の違いは何か?
それは、下積みがあるかどうか、です。
もちろん、例外はありますが、たとえドラフト一位だとしても、3~4年は二軍で鍛えられます。
ところが、大卒の場合、即戦力として期待されるわけで、いきなり一軍デビューを果たすわけです。
高橋由伸など、その典型で、おそらく調整以外の理由では、二軍のベンチに座ったことがないでしょう。
チーム全体を預かる一軍の将としては、このキャリアの違いを見逃せません。
技術が大事であることは当然として、メンタルを理解していることが、本当に重要だからです。
野球に限ったことではありませんけどね。
ちなみに、二軍監督を経験しているのは、辻・梨田・福良・真中の四人です。
予言しておきましょう。
ほとんど二軍経験のない高橋・森の両監督は、今年限り。
人選を行う上で、ここの視点は外せないんだなぁ。