都会のネズミと田舎のネズミ

時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。

歩を「と金」に変える人材活用術

ジャンルの違う者同士が対談するというのは、なかなか難しいものがあります。
幅広い知識がないと、聞くだけに終始してしまい、対談の意味をなさないからです。
だから、あるようでないのが対談本であって、登場する二人が同じように発信するというケースは、なかなかありません。
手練れの二人が丁々発止、どんな球を投げても打ち返すさまが美しい。
それが、『歩を「と金」に変える人材活用術』(廣済堂新書)です。
この本は、スポーツライターの第一人者・二宮清純氏と国民栄誉賞羽生善治九段が、野球や将棋を題材に、いろんなことをとことん語り合った実戦譜で、両者が持つたとえ話の奥行の深さ、広さに圧倒されました。
たとえば、こんな感じです。

  ・盤上でも組織でも、一番大事なのは効率である。突出した個人のパワーに頼ることではない。
  ・能力というのは、きっちりした普遍的なものではなく、その時代時代の社会から求められているものである。
  ・サッカーやラグビーオフサイドで相手陣地に取り残された選手は、捕虜だから文句が言えないという発想
  でルールが生まれている。
  ・将棋が強くなりたければ、「この形は絶対に指したくない」という感覚を大事にしたほうがいい。制約がある
  ほど、本筋の手を突き詰めて考えるようになるから。
  ・日本人はルールを変えられないと思い込んでいるところが問題だ。ルールを守れても作ることができない。
  ・オフト監督は「日本人に欠落しているのはディシジョン・スピードだ」と言っていた。
  ・天才というのは想像力と創造力を兼ね備えた人たちなので、他人に学ぶわけじゃない。だからあ、説明が苦
  手になる。
  ・理解するということは、短縮することである。経験を積めば、無駄をショートカットできる。
  ・駒をたくさんとって相乗効果を考えるより、いかに(駒の能力が)重複しないかを考えるのが大事なことだ。
  ・トルシエ監督は、ガチガチにチームを管理した。「とにかく俺の言うとおりに動け」と。私(二宮)は「植民地の
  総督」と名付けた。
  ・無菌状態で育つと猜疑心が育たない。社会は雑菌だらけだから、心の予防接種が必要だ。
  ・アメリカでは「父親が子供に教えるのがキャッチボール。兄が弟に教えるのがバスケットボール」と言われて
  いる。

プロフェッショナルの矜持とは、見えないものを見るチカラだと改めて思いました。