本を選ぶ際の参考にしているのが『このミステリーがすごい!』(宝島社)です。
みんながいいって言ってるんだから、期待してもいいんじゃないかってこと。
これは、国内部門と海外部門に分かれていて、海外部門で3年連続一位に輝いている作家がアンソニー・ホロヴィッツです。
しかも、二位に大差をつけての三連覇。読むしかありません。
2018年の『カササギ殺人事件』が期待外れだったので、距離を置いていた翻訳物ですが、それじゃもう一度と2019年トップの『メインテーマは殺人』に挑みました。
ストーリーを展開していく中で、犯人は誰なのかを考えさせる手法の作品を「フーダニット」(Who done it?)と言います。
ミステリー小説では当たり前だと思っていましたが、意外にそういうものでもない。どうやって犯行に及んだかの「ハウダニット」や動機に焦点を充てる「ホワイダニット」タイプも結構あるのです。
だけど、シャーロックホームズやエラリークイーンに代表される海外作品は、断然フーダニットが目立ちます。だから、ミステリーと言うよりも推理小説って区分けが相応しいかもしれません。ちょっと前までは、そう呼んでいました。
ホロヴィッツは、その王道の流れを汲んでいます。しかしながら、トリック等に出尽くした感があるのか、彼の作風はそこにひねりを加えます。『メインテーマは殺人』では、作者自身が警察から依頼を受けた探偵に同行し、記録を取っているかのように表現しているのです。だからなのか、文章に無駄が多いような気がして…
うーん、やっぱり馴染めないのは、映像が浮かびにくいんです、翻訳物は。65点。低くて申し訳ないけど私には合わない。
言葉の構造が違う以上、比較も難しいんじゃないのかな、ノーベル文学賞。そんな気がします。