都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

私的面白本ランキング2025②

今年最後のブログは、ノンフィクション部門の面白本ランキングです。

 

1位 さみしい夜のページをめくれ(古賀史健)

2位 侏儒の言葉芥川龍之介

3位 学校では教えない逆転の発想法 おとなの思考(外山滋比古

4位 球辞苑

5位 身もフタもない日本文学史清水義範

6位 風と共にゆとりぬ(朝井リョウ

7位 僕には鳥の言葉がわかる(鈴木俊貴)

8位 ここで唐揚げ弁当を食べないでください(小原晩)

9位 ベンチの足(佐藤雅彦

10位 漫才過剰考察(高比良くるま)


トップは、『さみしい夜のページをめくれ』です。 読み始めは突飛すぎてビックリしました。メルヘン調の童話チック。これはやっちまったかなと思ったのですが、我慢して読み進めていくと、道徳的な教育本だと気付かされます。「人は勉強が嫌いなんじゃなくて、何のためにやっているのかを何の説明もなくやらされているのがイヤなんだ」という話、まずグサリと刺さります。「本や芸術はがんじがらめの日常から自分を解き放つためにあるんだ。思いっきり心を動かす。心の運動場としてね」これもなかなか。「同じ本を二回読め」というのも斬新でした。読み落とした言葉にマイクを突き付けて立体的に解釈を拡げるんだと。なるほど、二度読みね。「勉強とは、覚えることじゃなくて、自分を耕すことだ」というのも素晴らしい。

この本、全ての子供たちに読んでもらいたい珠玉の一冊だと思うのであります。

2位は芥川龍之介によるアフォリズム。 侏儒とは身体の小さい人や知識のない人を指す蔑称ですが、そこから普通ではない視点で物事を語る意味合いも含まれているってとこが深い、深過ぎる。ヘラヘラ生きていると、たまにこういう本を読みたくなるのです。

3位は外山滋比古から。彼の著作は東大や京大のインテリ学生から圧倒的に支持されているそうで、それならちょっとおこぼれに預かろうと読んでいる次第です。

球辞苑は、NHKBSのテレビ番組から派生した一冊です。言葉で語るベースボール。素晴らしい。

5位は『身もフタもない日本文学史』。源氏物語から始まる日本文学を総括した書籍なんだけど、優秀な大学生の卒論みたいで実に面白い。ミステリー好きの私のような薄っぺらい活字中毒者に理解できるよう、コンパクトにまとめられています。男性による随筆の原点は吉田兼好の『徒然草』で、私こそセンスがいい、私こそ知的であるという自慢をうまいこと芸で処理していくのがエッセイであると喝破されたのを読むにつけ、顔が赤くなったのを告白します。承認欲求を満たそうとするのがエッセイであると。なるほどねぇ。自分がよくできたと思っても、イイネが付かないのは、そういうとこなんだと分かったりもしました。

6位は朝井リョウです。この人の小説は文章が難解で、なかなかのしんどさを伴うんですが、エッセイだと激変します。呆れるほどの自虐オンパレード。そう来なくっちゃねぇ。

7位は 『僕には鳥の言葉がわかる』。ここだけの話、私はイヌやネコなどペットを飼うという気持ちが理解できません。可愛がるのは良いけど、彼らの人生(?)に責任を持つのがイヤなんです。だから、庭やベランダに勝手にやって来る小鳥がちょうどいい。その鳥にバリエーションは少ないものの、鳥語があると知って、ちょっと驚きました。ドリトル先生みたいな人がいるんですね。

8位は全く無名のエッセイストである小原晩。普通の人より頭抜けて音感が良いんでしょうね。オノマトペの使い方が独特です。そして、いろんな事象に対する表現もユニークでハッとさせられました。「生きているものが生きてゆくために、死んだものには徹底的に死んでもらうということ(火葬について)」「プラスチックでできたビールジョッキをぐっとあおると孤独の味がする」「蝉時雨は命そのものを浴びているみたいで恐ろしい」「ジャングルジムの頂から見る夜空はすばらしい。スリルとロマンとバカバカしさのバランスが良い。今夜の月は黄色くて、半分で、眠そうだ」「だれかのしあわせをねがうとき、私はしあわせなのだとおもう」

この作者は、漢字と平仮名を意図的に使い分けています。その方が、美しく見えるから。そういうところ、俳句っぽいと思いました。

9位は ピタゴラスイッチ佐藤雅彦。普段から同じものを見ているハズなのに、超一流にはベンチの足に意識が飛ぶんだということでした。まさに、ボーッと生きてたら分からないという話です。

10位は令和ロマンのくるま。群雄割拠のお笑い芸人の中、二年連続でM1グランプリの頂点に立つなんて、今後も現れないと思います。彼は漫才のパターンをしゃべくり漫才・漫才コント・システム系漫才の三つに分類し、そのイベントの中で、極力スタイルが被ることのないよう会場の盛り上がりを意識して進めているんだそうです。プレイヤーでありながらプロデューサーの視点を持ち合わせているってとこ。主観と客観が共存してるんですね。そりゃ、勝てるハズです。

 

以上、今年の読書、総決算でありました。どうぞ、良いお年をお迎えください!