今日は、『パ・リーグがプロ野球を変える』(大坪正則著・朝日新書)から。
2004年に10球団縮小が議論され、プロ野球選手会は初めてのストライキを決行しました。
引き金になったのは、連結会計システムが導入されたためで、それまでは球団の赤字を黒字の親会社が吸収する形で容認されていたものが、そうはいかなくなったことによります。
本体自身もバブル崩壊後、余裕がなくなったところが多くなってますからね。
しかしながら、球団が減るということは、2チーム分の選手が路頭に迷うことになる。
そこで、古田会長が先頭に立って動いたわけです。
たかが選手なのに、です。
その結果、新たに楽天球団が名乗りをあげ、なんとか危機を乗り越えました。
そして、このイーグルスが参入初年度に営業利益を上げたことで、常識が変わったのです。
知恵を絞れば、現状を変えることができる
それまでは、親会社からの天下りで野球のことが全く分からないサラリーマン社長が、選手の顔と名前が分からないままに、できるだけ問題を起こさないように任期を全うしていたのですが、前例が出来上がってしまいましたから、そうはいきません。
あらゆる面で、工夫を強いられ、競い合うように努力することが始まりました。
フランチャイズの考え方、球場使用の契約見直し、GM制の導入、スカウトの強化など。
その結果、セパの交流戦優勝は、七年連続でパ・リーグから。
日本シリーズでも2005年からは、パ・リーグ5回対セリーグ2回の制覇。
実力で、セ・リーグを上回っています。
人気の面ではどうでしょう?
2011年観客動員数ランキング
1位 阪神 290万人
2位 巨人 272万人
3位 ソフトバンク 229万人
4位 中日 214万人
5位 日本ハム 199万人
6位 西武 159万人
7位 広島 158万人
8位 オリックス 140万人
9位 ヤクルト 135万人
10位 ロッテ 133万人
11位 楽天 117万人
12位 横浜 110万人
上位2チームは、不動ですが、300万人割れは不吉な兆し。
2005年との比較では、パ・リーグがすべて上回ったものの、セ・リーグで動員数が増えたのは、広島・横浜のみで、軒並み緩やかな凋落傾向にあります。
最近のドラフトでは、有力選手のクジをパ・リーグが引き当てることが多くなっているのも興味深いところです。
セ・リーグは、人気面でも抜かれてしまうのでしょうか?