都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

B to C

予備校業界は、河合塾駿台代々木ゼミナールが老舗の御三家で、ひと昔前は、全国主要ターミナルを中心に校舎を持ち、有名講師がマイクを持って授業する、というのが定番でした。
そこへ風穴を開けたのが、林修先生でお馴染みの東進ハイスクールです。人気講師は、東京にいながらにして、衛星やビデオで授業を発信していくスタイルへ。これにより、人件費が大幅にカットされました。
このやり方を見て、独自の道を歩んだのがリクルートです。人件費のみならず、校舎を必要としない、ネットを活用したビジネスモデル『スタディアプリ』でした。これは、地域格差による教育のハンデを補う目的で作られたのです。
しかしながら、当初は月額5,000円という価格設定に無理があり、なかなか仕組みが浸透していきませんでした。
そのとき、担当者は、BtoCの売込みでしか考えていなかったにも関わらず、いくつかの高校から教育インフラの一つにできないかの問合せがあったのを見逃しませんでした。BtoBのビジネスモデルへの転換です。
これにより、ユーザーが一気に拡大し、利用する金額が月額980円という、リアルの学習塾ではありえない低料金を実現させることができました。マーケティングとして、実によくできた話です。

昔、マーケティング・ゼミに通っていたときに、戦術と戦略の違いという説明があって、どうやって戦うかが戦術、誰と戦うかが戦略っていうのがありました。
今は、何となく、その意味が分かってきました。