都会のネズミと田舎のネズミ

時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。

暴虎の牙

プレバトのおかげで少しだけ俳句がわかるようになりました。

たった17文字ではあるけれど、その中にどれだけ沢山の情報を入れられるかどうかは、立体感を醸し出すところにかかっています。

つまり、視覚聴覚嗅覚など、五感に訴えかけるセンスです。

その情景が浮かぶように、音が聴こえるように、匂いが漂ってくるように表現すること。

それは、小説でも同じなのであります。

 

文章がゴツゴツして読みにくい、いわゆる下手くそな小説は、目に浮かぶシーンが少ないからで、優れた書き手による作品はまるで映画館にいるような錯覚を起こさせてくれます。

その第一人者が柚月裕子だと思っている人は多いのではないでしょうか。

バイオレンス三連作の最後を飾る『暴虎の牙』は、見事な出来栄えでした。

彼女の場合、五感に訴える筆致はもちろん、本作における広島弁のリアルな使い回し、暴力団関係者ならではの隠語の数々が、余計に自分の土俵に引き込んでいきます。どんな育ち方をしたのか、友人関係はどうなっているのかとさえ思わせる、フィクションかどうかさえ超えていくような世界の作り方は圧巻でありました。

暴力的な表現が苦手な人には薦めませんが、それがクリアできるなら超オススメ。95点、大満足でした。