私が若いころ勤めていたアフラックは、外資系でありながら社内に外国人がほとんどおらず、むしろ日本人丸出しの浪花節的な雰囲気に満ち溢れた組織でした。都会的ですらない。
だから、地方都市の進歩的な人たちと相性が良く、成功要因の一つとして挙げられると思います。
当時、アメリカ本社のCEOは、「日本の市場ではそのマーケティングを日本人に任せるべきだ」と何かのインタビューに答えていました。けだし名言です。
その他の外国人トップの外資系(特に米国系)企業は、日本国内で苦戦を強いられており、経済摩擦の名のもとに圧力をかけられ続けたのは記憶に新しいところ。ガイアツなんて言葉も流行りました。
どうしてそんなことになるかと言うと、まさに文化の違いです。
文化人類学者であるエドワード・ホールによれば、高コンテキスト文化と低コンテキスト文化という概念があって、日米がその両極にある。
閉鎖された島国である日本社会は、民族や言語の同一性から言葉以外のコミュニケーションが発達し、言わずもがなの暗黙知がたくさん成立しています。
一方で、たくさんの移民を受け入れ、言語も十分に通じないようなアメリカでは、文字や言葉で確認しなければならないことが多く、論理性や表現力、ディベート能力などを磨かないと、無能だと思われてしまいます。
だから、ビジネスの相手としての日米は、相性が合いませんでした。評価するポイントが、お互いにズレまくっていたからです。
ところが、グローバル化の波がインターネットと共に押し寄せてきて、若者が大きく変わりました。
言わなければ分からないことが、増えてきているようです。私からすると、外国人と接しているような感じ。こちらが合わせなきゃいけないんでしょうね、やっぱり。だけど…。