山田太郎という打者は、高校時代に通算打率7割5分の成績を残しました。
これは、4回打席に立つと3回はヒットもしくはホームランという夢のような記録で、まさにマンガのようなお話です。
実際に、豊福きこうという人が、その著『水原勇気0勝3敗11S』(情報センター出版局)で、作品中に描かれたすべての打席を計算した結果、好敵手にあって凡退した打席を含めると、達成不能であることが証明されておりました。
しょっちゅう出塁していたイチロー選手でさえ、4割超えはついぞなかったわけですから、さもありなん。
だけど、夢を追い求めるのがマンガの世界なので、それでいいのです。
藤村甲子園は、ドラフトで巨人に1位指名されたのを嫌い、カンニングで東京大学へ入学しました。
いいですね、バカバカしくて。
こういう突き抜けた発想がマンガなのです。阪急に1位指名されたのがイヤで、法政大学へ行くのとは次元が違います。
景浦安武は、ホークス一筋で62歳まで現役を続けました。
3年連続三冠王だし、打率4割超えだし、もう何でもあり。
こういうのって、刺激されるんでしょうね。三浦カズは、いくつまでやるんでしょうか?マンガを超えて欲しい。
いずれの主人公も、ジャイアンツに行かないのが素晴らしいです。
現役の選手が劇中にどんどん登場することで、プロ野球人気を側面から支えていた水島新司氏が筆を折りました。81歳ですか。仕方ないですね。
これからは、ファンとしてゆっくり楽しんでください。