都会のネズミと田舎のネズミ

読書ネタ、スポーツネタ、お笑いネタ、時事ネタを拾いながら、笑いの方向へと導きます。3打数1安打を目指しています。ハズレよりもアタリを読んでください。

15歳のテロリスト

岸田首相に対する爆弾テロは、選挙制度に対する抗議だという分かりにくい動機が世の中を混乱させています。

確かに高すぎる供託金の存在が、普通の人の参政権を阻害して、世襲制を助長するようなところはありますが、だからと言って爆弾を投下する行為とは繋がりません。

簡単に考えているんでしょうね。たいして努力をしていないないのに、立候補して世の中を変えようとする発想は、タレント議員っぽくもある。

その昔、政治犯と言われるような人は、厚みのある歴史がありました。考えに考え抜いた挙げ句の惹起みたいな。間違っているなりに、段階を踏んでいくような感じ。今は、YouTubeの時代です。一足飛びに、世間に訴えることができる。組織なんか関係ありません。自分がヒーローになったみたいな万能感を持ち続けるのは、残存幼児性と言えるでしょう。「キーック!」と言いながら大人を蹴飛ばしている子供と同じなのです。

 

タイトルに釣られて購入した『15歳のテロリスト』(松村涼哉著・メディアワークス文庫)は、まさに15歳少年のテロ行為をめぐる小説でした。

だんだんこういう作品が増えていますね。不特定多数をターゲットにした爆弾テロ。科学捜査の進展により、問題解決に深みを持たせにくくなったので、動機がぼんやりしていたり、人間心理に重きを置いたようなのが多くなっているように思います。本作は、テロ行為そのものより、未成年犯罪の問題点に光を当てたものでした。出版元は耳慣れませんが、どうやらライトノベルというジャンルを深掘りしているらしい。なので、若年層がターゲットのようで…口に合いませんでした。なんか薄いんですよね。だからライトノベルなのか?タイトルは魅力的なんですけどねぇ。70点。