パワハラ&おねだり知事のレッテルを貼られ、出直し再選挙となった兵庫県知事選ですが、謎が多く、不思議に思っていました。
それは、
①内部告発した幹部職員が死をもって抗議したということ
②聞き取り調査に当たった副知事が、何故だか辞職していること
③矢面に立たされている県知事が改めて立候補したこと
④お騒がせの立花孝志が斎藤知事を擁護するためと言って立候補したこと
です。特に自殺の話は、意味が分かりません。口封じされたんだったら話は分かるけど、これから糾弾しようとしている人が結果を見ずにドロップアウトするなんてあり得ない。赤木ファイルと構図が似てはいるものの、内実は全然違うんです。理不尽が存在せず、無力感に苛まれるってこともないから。
聞き取り調査についても謎が多いです。印象的な話ばかりで、具体的じゃない。信金からのキックバックについても、関係者はみんな否定しています。つまり、県知事サイドからすれば、誹謗中傷の類であり、事情聴取が高圧的になったのも分かる気がします。副知事も悪者顔じゃなかったですし、デタラメを言っているようには思えません。
ただ、言えることは前知事による20年続いた県政の中で、ガチガチに出来上がった体制があって、これを否定するような改革派は受け入れないという強い意思が働いていたということです。守旧派にとって大きな問題は、庁舎建て替えの取り消しと港湾事業の見直しです。幹部職員は定年が近いので、天下り先の関係もあって、決まっていたことを動かしたくない。外から突然やって来た46歳の若造に、ガチャガチャ言われたくない。パワハラ的な言動は、そのへんの感情的なもつれも根底にあったかと思います。年下の上司問題。
そんな中で、庁舎内にあるイエスマンだらけの記者クラブの存在が、拍車をかけます。守旧派に都合の良い情報の垂れ流し。
かくして、ワイドショーでは連日、知事によるパワハラや舛添要一を思い出させるようなおねだりの案件が、画面を賑わせます。斎藤知事が東大卒でエリート官僚だったのも、刺激的だったと思います。
その流れに待ったをかけたのが立花孝志です。この人、どうやって生計を立てているのか知りませんが、選挙好きであることは間違いありません。首を突っ込んできます。百田尚樹とは真逆の存在ではあるものの、とにかく噛みつきグセがある。二人とも好きじゃありませんよ。だけど、ときどきハッとするようなことを言っている。
で、立花孝志の主戦場はYouTubeです。ここで、斎藤知事を擁護する発言を連日発信しています。それに応えるように須田慎一郎や高橋洋一が参戦して、ネットではかなり勢いが出てきました。エックスで拡散する図式であり、若者の正義感に訴えることに成功しているようでもあります。だから、当初、元尼崎市長の稲村和美が圧勝するハズだったところ、雲行きが怪しくなっています。
テレビメディアは、選挙報道について公平平等を要求されているため、立花孝志を登場させるわけにはいかず、沈黙を守ったまま。かくして、選挙情勢はYouTubeが伝えるのみの一方通行になっているんです。これも不思議な現象。
17日の投票結果が楽しみです。
(つづく)