今は、つぶれてしまったところも多いのかもしれませんが、その昔、将棋が強い大人たちは、町の道場に通っていました。私もそのうちの一人です。
一日500円を支払うと、時間が許す限り、相手を変えて何局でも戦えるシステムで、夏休みラジオ体操みたいなカードに勝ち負けのハンコを押してもらいながら、昇級昇段を目指します。
連勝が続くと、ジュースやお菓子がもらえました。
土日だと、先着16人が参加してトーナメントが行われ、優勝者には賞金も。
その道場へ、腕に覚えがある猛者たちとヒマを持て余した老人に加え、ときどき天才少年みたいなのが混ざり合って、老若男女がパチリパチリ。不思議な光景ではありました。
天才少年は、決まって早指しです。
大人がじっくり考え込むのに対し、子供たちは指し手を読むのが早い。
考えてもムダなような局面で、なかなか指さず、考え込んでいると、ため息をついてマンガを読み始めるような生意気なガキもいます。天才だからといって、社会性はありませんからね。
で、たまに、怒り出すオッチャンがいて、マナーを学んでいく。
喫煙者が多かったり、土日のテレビでは競馬中継が始まったりする中で、世の中を感じておりました。
ただ今は、インターネットで見えない相手と指しているようです。
時代は変わりました。
藤井四段の快進撃で、注目を浴びている将棋界ですが、ネットや人工知能の進化とともに、状況が様変わりしております。